この年表は、日本における「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」を、外来神としてのグローバルDXと区別し、「デエックス様」として文化的・制度的に発展してきた独自の道のりを記述するものである。神代編〜令和に至るまで、逆ナッジモンスターたちがどのように誕生し、制度・UI・UXの中で暴れ回ってきたのかを、風刺と批評の視点から描く。
【神代編:和文タイプライターと変換の苦悩(〜1970年代)】
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日本語=非アルファベット言語という前提により、タイプライターの時点からすでに「一筋縄ではいかない」宿命が始まる。
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和文タイプライターやカナタイプが主役。1文打つのに一汗かく時代。
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公文書は手書き&謄写。変換ミスは物理的修正液で対応。
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登場モンスター:カナカナクン(50音しか打てない元祖変換地獄)
【創世編:ワープロと変換精度の地獄(1980〜1990年代)】
- 一太郎・花子・ATOKなどが神として登場。「文節」の呪縛と戦う。
- ワープロ専用機がホワイトカラーを席巻。「Enter」の一撃で運命が変わるUX。
- ハンコ文化と合体し、「プリントアウト → 捺印 → 再スキャン」の儀式が確立。
- 登場モンスター:エイトク様(変換候補が多すぎる神)、プリント神拳(紙にしないと気が済まない妖怪)
【中世編:エクセル帝国とハンコ大名(1990〜2010年代)】
- 神エクセル誕生。罫線が紙の世界を支配し、VLOOKUPが祭壇となる。
- PDF封印の儀が一般化。「編集できない」ことが最大の価値になる逆転現象。
- ハンコは押印の儀式により「入社の通過儀礼」となる。新入社員はハンコ大名に服従。
- 登場モンスター:ハンコ大名、神エクセル、PDF封印獣、回覧板ループン
【混沌編:クラウドとPDFとFAXが共存する世界(2010〜2020)】